株式会社南陽は、福岡市博多区に本社を置く総合機械商社。1950年に炭鉱業で創業して以来、時代の流れやお客様のニーズに合わせて確実に拡大と成長を遂げてきた。
現在は産業機器事業、建設機械事業、砕石事業の3つのセグメントを展開。産業機器事業は国内外で産業機器、機械部品等の販売及び製造に注力。建設機械事業は九州地域で建設機械、産業用車輌等の販売及びレンタルを実施。砕石事業では福岡県にて砕石の製造販売を行っている。
株式会社南陽(以下、南陽)は、2023年まで、25 年以上前にフルスクラッチで開発された旧基幹システム(以下、旧システム)を使用。中には産業機器や建設機械の販売管理、会計や稟議・勤怠システムに加え、グループ各社の販売管理システム等、すべてが存在していた。
「旧システムの稼働後、改定される制度への対応や業務プロセスの変更など、ことあるごとにシステム改修を重ねてきました。その結果、システム自体が非常に複雑に。ちょうどベースとしていた開発言語のサポート切れも重なったことから改修での対応は難しいと判断しました。レガシーシステムからの脱却を踏まえて旧システムを見直す中から、経営管理の精緻化や業務の効率化、内部統制の強化等、企業として改善すべき多くの課題も浮き彫りになりました」。そう振り返るのは、システム刷新のプロジェクトチームに参加した、経理部の松本優氏だ。
プロジェクトが動き出したのは、2020年1月。2023年10月にインボイス制度の施行が控え、その後も続々と法令改正の情報が発表されていた頃だ。「まずはインボイス制度の施行までにシステムを刷新し、稼働させることが目標でした。プロジェクトのポイントは大きく分けて5点。①経営管理の精緻化・迅速化、②業務のシンプル化・効率化、③内部統制の強化、④グループ経営の強化、⑤先進技術への対応です。課題解決のためには、業務の標準化や効率化だけでなく、様々な内外環境の変化に柔軟に対応できる、拡張性に優れたシステムが必要と考えました」(松本氏)。
2020年1月、ベンダーの選定がスタート。NTTデータ九州を選んだ決め手について、松本氏はこう語る。
「弊社にはシステムの専任者がいないこともあり、長期にわたるパートナーとなる関係性が築けるような会社を希望していました。そのためには、会社としての安定性や事業の継続性はもちろんですが、保守サポート体制の厚さにおいても大きな信頼感を持ちました。また、NTT データ九州は弊社の事業内容や業務フロー、抱えていた課題をよく理解していただき、基幹システムの刷新にとどまらず、グループ経営視点での円滑な業務運営や、将来のさらなる事業の高度化を見据えたご提案を提示してくださったのが印象深かったです」。
新基幹システム(以下、新システム)には、NTT データ九州が開発した『BeAd』を採用。機械商社向けのテンプレートを適用することでコストも抑えられたという。「システムのシンプル化を望んでいたので基本的にパッケージソフトでの対応を考えていましたが、旧システムのサービスレベルを検討した結果、セミオーダー型で柔軟なアドオン・カスタマイズが可能な『BeAd』を選定しました。ご提案の段階で見せていただいたサンプル画面で、導入後のイメージもしやすかったと感じています。特に、クラウドサーバーの『AWS』とWeb ブラウザベースの『BeAd』システムを組み合わせるというご提案は、構成的にも視覚的にも刷新感があり、他社と比べて印象が良かった記憶があります」(松本氏)。
セミオーダー型の『BeAd』を導入する上で最も時間を費やすのは、部署ごとの業務内容を細かく理解しシステムに落とし込む作業だ。今回のプロジェクトチームには経理部、産機事業本部、建機事業本部と子会社から、計8名の社員が参加。それぞれの現場で社員の要望を細かくヒアリングして何を優先すべきか検討を重ね、システムを業務に寄せていく部分と、業務をシステムに寄せていく部分を、NTTデータ九州と根気強く調整していった。
「旧システムに慣れていた社員も多かったため、まずは現場ごとにシステムを刷新する必要性とメリットを説明しました。新システムに慣れるまで時間はかかるとしても、混乱が最小限ですむようなシステムの在り方を模索しました」(産機システム担当)。
「建設機械は一般的な管理システムでは処理しきれないほど入力するべき情報の項目が多く、その処理も複雑です。システムを作り込んでいくのもひと苦労でした」(建機システム担当)。
「新システム導入後も、各部署で様々な意見が出続けると思います。あとは我々がこのシステムをいかに使いこなせるか。結果的にはいいタイミングで、進化するデジタル化の波に乗っていけるシステムを導入できたという実感があります」(事務局)と、各チームの代表者からは当時を振り返り、様々な声が寄せられた。
「『BeAd』の導入による効果は大きく4点」と野村氏は語る。
1つめはインボイス制度と、今後の法令改正への対応。プロジェクト発足当初の狙い通り、スムーズなインボイス対応を実現した。「今後もインボイス制度の段階的な経過措置控除率の減少、2027 年3 月末には約束手形・小切手の利用廃止、2027 年4 月からは新リース会計の適用等が予定されていますが、安心して対応できる基盤が整いました」。
2つめは販売管理業務の効率化とシンプル化。各業務システムとのデータ連携によって、二重入力業務を解消し管理精度が向上した。「特に在庫管理については、受発注から売上まで一気通貫の商品コードを用いる管理方法を採用したことで効率アップと精緻な在庫管理が可能となりました。他にも買掛金の消込データと支払データの連動など、スクラッチならではのオペレーションを見直すきっかけになりました。また、グループ会社複数社で共通のシステムを導入することで、業務の標準化が実現しました」。
3つめはペーパーレス化の推進。代替や統合などによりペーパーの大幅削減に貢献し、『intra-mart』ワークフローでの電子承認でも社内申請などの電子化を行い、引き続きペーパーレス化が進行中だ。そして4つめは分析効率のアップ。「必要なデータを日々の業務の入力項目として保持することで、『Tableau』や『View Creator』を用いて様々な切り口で情報分析ができるようになりました」。
本プロジェクトでは、基幹システム刷新と合わせて『AWS』、BI ツール『Tableau』、データ連携ツール『ASTERIA Warp』といった各種ソリューションを組み合わせ、弊社業務に最適な環境を実現。業務の効率化をはじめとした様々な課題解決につながっている。
「特に大きく変化したのが『AWS』の導入です。旧システム時代は自社サーバを導入し、かなりの費用や時間をかけてデータの保存と管理を行っていました。今回、NTT データ九州から『AWS』利用の提案があり、安全性の向上や投資の平準化、将来的な構成変更への対応といった観点から採用を決めました。『AWS』によって、災害時等のセキュリティも強化。容量の拡大等でサーバを入れ替える際にも計画性とスピード感を持って取り組めるようになりました。しかも、サーバの状態はNTTデータ九州でも随時把握できているので、メモリの超過アラート等、何かしらの通知が出た際もすぐに調査・対応をしていただけるのが心強いですね」(松本氏)。
新システムの導入から2年半。基幹システム『BeAd』はグループ会社含める2社の社員約180名が利用。検索の効率アップや二重入力の減少を実現し、基幹システムを利用する全員にとってのメリットにつながっている。また、会計システム『SIAS』は4 社の社員約340 名が利用。会計システムに連携するデータの形を工夫したことで、決算業務を効率的に行えるようになった。
野村氏は今回のシステム更改についてこう総括する。「基幹系システムを中心に実施し、クラウド化も実現でき、業務における大小さまざまな効果を実感しています。基幹システムにおいては、今後も時代の要請に合わせた機能追加や、グループ会社全体の統一化なども検討していきたいと思っています。また現在、IT 環境の高度化とともに対策が必要になるサイバーセキュリティの分野においても、NTT データ九州に様々な支援をいただいているところです。今後はグループ会社全体でのワークフローシステムの整備をはじめとしたデジタル領域の拡大や、生成AI 活用を視野に、デジタル・DX に関する知見を持っている、NTT データ九州とともに、時代に合わせてさらなる業務の高度化に引き続き取り組んでいきたいと考えています」。次代を見据える南陽の加速する進化を、NTTデータ九州も支えていく。
産業機器事業と建設機械事業を中軸に、世界の“ものづくり”と社会資本の整備に貢献する南陽。近年は、既存事業による安定収益確保に注力すると同時に、社会・環境・ガバナンスの重要課題解決に向けたサステナビリティへの取り組みも推進。優れた技術力を持つメーカーとのM&Aを進め、タイアップによる企業力の強化と価値の向上、事業領域の拡大を目指し、将来の飛躍に向けた事業基盤強化に取り組んでいる。産業機器事業では超音波洗浄機、電子部品剥離・選別装置など環境に配慮した装置を開発。2025年4月にベトナムに海外4社目となる子会社を設立し、ASEAN地域への営業強化に期待がかかる。建設機械事業では2025年より新商品・新市場開拓プロジェクトを始動させるとともに、新システム『レッドマイン』による中古機械の情報共有により、これまで以上にお客様のニーズにフィットした機械・機種の提案が可能に。取扱商品の拡大とともに、さらなる顧客満足度が高まっている。受賞歴もある数々のTVCMも話題。
| 本社所在地 | 福岡県福岡市博多区博多駅前三丁目19番8号 |
|---|---|
| 会社設立 | 昭和28(1953)年8月 |
| 資本金 | 11億8,100万円 |
| 事業内容 | 【産業機器事業】エンジニアリング商社としてお客様へソリューションを提案。<取扱商品>半導体製造装置、検査装置、AI・省力化機械、減速機、軸受、油圧機器等 【建設機械事業】販売×レンタル×サービスによるお客様へ最適なソリューションを提案。<取扱商品>土木建設機械、アタッチメント、産業用車輌、南陽モール(NANYO BRAND)、マンホールソー(NANYO BRAND)等 |
| URL | https://www.nanyo.co.jp/ |